外科医必読 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)のすべて
IPMNの組織亜型(サブタイプ)分類の臨床病理学的意義
福嶋 敬宜
1
1自治医科大学 病理診断部
キーワード:
細胞診
,
膵液
,
分類
,
膵管内乳頭腫瘍
,
組織診
Keyword:
Cytodiagnosis
,
Classification
,
Pancreatic Juice
pp.122-128
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013077681
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膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の組織亜型分類は腫瘍組織・細胞の形態や分化方向から腫瘍を細分類するものである.Intestinal type,gastric type,pancreatobiliary type,oncocytic typeの4型に分けられることが多いが,同一症例内に二つ以上の亜型が混在して認められることもある.これらは粘液コア蛋白を検出する免疫組織化学でかなり明瞭に同定することが可能になり,臨床病理学的意義も明らかにされつつある.一方,膵管内腫瘍には粘液産生を示さないものがあり,最新のWHO分類では膵管内管状乳頭腫瘍(ITPN)としてIPMNと並列する概念として位置づけられた.ITPNも含め,組織亜型分類をもとにした分子メカニズムの解明もすすめられており,今後,臨床病理学的位置づけも明確化してくると考えられる.
©Nankodo Co., Ltd., 2013