特集 表在性十二指腸腫瘍の新展開
表在性十二指腸腫瘍の診断 スクリーニング内視鏡における十二指腸病変の早期発見と評価
山本 頼正
1
,
藤崎 順子
,
吉田 詠里加
,
東畑 美幸子
,
林 将史
,
吉水 祥一
,
花村 祥太郎
,
五味 邦代
,
長濱 正亞
1昭和大学藤が丘病院 消化器内科
キーワード:
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
鑑別診断
,
腺癌
,
腺腫
,
腫瘍の早期診断
,
狭帯域光観察
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Duodenal Neoplasms
,
Adenocarcinoma
,
Adenoma
,
Duodenoscopy
,
Narrow Band Imaging
,
Early Detection of Cancer
pp.1021-1027
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019334139
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上部消化管内視鏡検査は胃がん検診においても広く行われるようになり、早期に発見される十二指腸病変が増加している。胃内視鏡検診では十二指腸の観察は球部まででよいとされているが、十二指腸皮性腫瘍は下行部に発見されることが多く、スクリーニング内視鏡においても下行部までの観察は必須であり、可能であれば水平部を臨む位置までの観察が望ましい。さらに下行部の乳頭対側は最も病変の頻度が高く、観察時に留意すべきである。十二指腸病変を発見した場合に診断目的で生検を行うと、粘膜下層の線維化のために内視鏡治療が困難になる場合があるため、特に平坦・陥凹性病変では生検は避けるべきである。病変の評価としては、通常内視鏡での色調や表面構造での診断に加えてME-NBIが組織異型度の類推に有用なことから、optical biopsyとして積極的に行うべきである。
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