十二指腸腫瘍性病変に対する診療の進歩
治療戦略 私たちはこうしている 十二指腸腫瘍(非乳頭)の治療(おもにESD/EMR)の現状
木村 隆輔
1
,
布袋屋 修
,
菊池 大輔
,
貝瀬 満
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 消化器内科
キーワード:
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
術後合併症
,
術中合併症
,
術前診断
,
腺腫
,
治療成績
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Adenoma
,
Duodenoscopy
,
Duodenal Neoplasms
,
Intraoperative Complications
,
Postoperative Complications
,
Treatment Outcome
pp.1605-1613
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015053661
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十二指腸腫瘍はまれであり,治療適応,治療法選択も一定の見解がない.当院では,EMRにて一括切除が可能と考えられる病変に対してはEMRを,それ以外はESDを選択している.ESD59例,EMR27例の検討では,ESD群の完全一括切除率は86.4%であったが,合併症率47.4%と高率であり,20mm未満の病変のみの検討でも同様の結果であった.EMRは合併症率7.4%と低いが,完全一括切除率も63.0%と低く再発も1例認めた.偶発症予防には可能なかぎり潰瘍底を縫縮することが重要であると考えられた.十二指腸はその臓器特異性から内視鏡治療が困難であることが多い.腫瘍の悪性度,内視鏡の操作性,患者の全身状態などを考慮し症例ごとに治療法の選択を行っていくことが重要である.
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