ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎を診る、治す
H.pylori胃炎除菌による胃内環境への影響 除菌による胃癌発生への効果 私の視点 当院におけるLancet論文登録症例の経過観察と検討
深瀬 和利
1
1山形県立中央病院 消化器内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃炎
,
胃腫瘍
,
抗細菌剤
,
多剤併用療法
,
治療成績
,
除菌療法
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Gastritis
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Treatment Outcome
pp.345-349
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014113373
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2008年のJGSG(Japan Gast Study Group)によるLancet論文は,除菌によって二次胃癌の発生は1/3以下に抑制されることを明らかにした.これにより除菌の適応は2013年2月にはH.pylori感染胃炎にまで拡大された.当院でのLancet論文症例は最長では12年目までの経過観察に至っているが,非除菌群は未だ除菌群の約3倍の二次胃癌発生率を有する.H.pylori除菌によっても胃癌発生を皆無にすることは困難であり,経過観察胃内視鏡検査は今後,定期的かつ長期的に必須であることを患者に十分啓蒙したうえで,除菌に臨むことがわれわれ内視鏡医には必要である.
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