ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎を診る、治す
H.pylori胃炎除菌による胃内環境への影響 除菌による病理組織学的所見の変化
塚本 徹哉
1
,
桐山 諭和
,
柴田 知行
1藤田保健衛生大学 医学部病理診断科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃液
,
胃炎
,
胃腫瘍
,
胃粘膜
,
抗細菌剤
,
多剤併用療法
,
免疫組織化学
,
除菌療法
,
Hematoxylin-Eosin染色
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Gastric Juice
,
Gastritis
,
Gastric Mucosa
,
Immunohistochemistry
,
Stomach Neoplasms
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
pp.337-344
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014113372
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Helicobacter pylori(H.pylori)除菌前の胃粘膜の萎縮や腸上皮化生の程度は胃癌の予防効果に重要な要因である.H.pylori感染によって,ヒトでは表層腺窩上皮の過形成と増殖帯の拡大がみられ,スナネズミでは粘膜過形成と異所性増殖性腺管の増生が起こるが,除菌によってそれらは正常化する.一方,生検組織による除菌前後の固有腺の萎縮や腸上皮化生の定量的判定は困難であり,それが除菌の効果判定の障害となっている.疫学的にも動物実験的にも早期除菌によるある程度の胃発癌抑制効果が得られており,適切な除菌治療と的確な効果判定が今後ますます必要になってくると考えられる.
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