ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎を診る、治す
H.pylori胃炎除菌による胃内環境への影響 除菌による胃癌発生への効果 私の視点 見落とし病変の観点から
加藤 元彦
1
,
西田 勉
,
辻井 正彦
,
竹原 徹郎
1大阪大学 大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃炎
,
胃腫瘍
,
抗細菌剤
,
術後期
,
腫瘍-多発性原発
,
多剤併用療法
,
発生率
,
腫瘍-第二原発
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
除菌療法
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Gastritis
,
Neoplasms, Multiple Primary
,
Postoperative Period
,
Stomach Neoplasms
,
Neoplasms, Second Primary
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Incidence
pp.351-355
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014113374
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早期胃癌に対するESD後は同時性・異時性の多発病変の高リスクで,H.pylori除菌療法が広く行われている.ESD後に発見される多発病変は新たに発生した癌と初回治療時にすでに存在していたものの見落とされていた病変の両者を含んでおり,その発生については不明な点もある.大阪大学関連12施設でESDが行われた1,258例中,110例に同時性多発胃癌が認められたが,このうち21例は術前に見落とされていた.われわれのコホートでは1年以降の異時性多発癌は年率3.5%でほぼ一定であり,H.pyloriの除菌により発生率は変化しなかった.ESD後の多発胃癌発見のため,H.pyloriの除菌にかかわらず定期的な内視鏡検査が重要である.
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