下部直腸・肛門部疾患の診断と治療
宿便性潰瘍
清水 誠治
1
,
横溝 千尋
,
石田 哲士
,
森 敬弘
,
富岡 秀夫
1JR大阪鉄道病院 消化器内科
キーワード:
下血
,
大腸内視鏡法
,
宿便
,
鑑別診断
,
生検
,
腸穿孔
,
腹部X線診断
,
Hartmann手術
,
宿便性潰瘍
,
腹部CT
Keyword:
Biopsy
,
Colonoscopy
,
Diagnosis, Differential
,
Fecal Impaction
,
Melena
,
Intestinal Perforation
,
Radiography, Abdominal
pp.1501-1506
発行日 2013年9月20日
Published Date 2013/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013377637
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宿便性潰瘍は,高度の便秘によって形成された糞便塊が腸管粘膜を機械的に圧迫することにより生じる褥瘡潰瘍であり,血流低下が背景因子と考えられている.基礎疾患を有する高齢者に好発する.組織学的所見は非特異的であり,びらんから穿孔をきたすものまで程度はさまざまである.症状は高度の便秘後にみられる出血,腹痛であり,穿孔をきたすと急性腹症で発症する.直腸に好発するが,穿孔はS状結腸に多い.類円形ないし不整形潰瘍であり,歯状線近傍にはみられない点が急性出血性直腸潰瘍との鑑別点である.穿孔例では手術が必要である.非穿孔例では糞便塊の除去,絶食・輸液による腸管安静であり,出血には内視鏡的止血術が有効である.
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