発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013190014
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72歳男。1ヵ月前より黒色便、ふらつきを自覚し、近医にて貧血を指摘され紹介となった。輸血を行い、全身状態の安定後に上・下部消化管内視鏡、腹部超音波、腹部CT、出血シンチグラフィを行ったが、明らかな出血源は認められなかった。カプセル内視鏡検査を行ったところ、上部空腸に15mm大の有茎性ポリープを指摘された。ダブルバルーン内視鏡による小腸内視鏡検査で、上部空腸に18×15mm大の有茎性ポリープを認め、表面は白色調で絨毛状構造を呈し、インジゴカルミン散布で凹凸不整や潰瘍形成、発赤は伴わず、絨毛状腺腫が疑われた。他に出血性病変を認めないためポリープを出血源と判断し、グリセオールの局注を併用し内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行した。偶発症もなく経過良好で、黒色便や貧血の進行は認めなかった。病理所見より32×18×15mm大の白色調の有茎性病変で、上皮の管状、絨毛状の増生を認め、tubulo-villous adenoma with low grade atypiaと診断し、断端は陰性であった。
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