『早期大腸癌』からの20年、『INTESTINE』からの今後20年
[腫瘍分野]大腸LSTの歴史と今後
藤井 隆広
1
1藤井隆広クリニック
キーワード:
Indigo Carmine
,
大腸内視鏡法
,
腫瘍進行度
,
腺腫
,
腸粘膜
,
近代医学史
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
色素内視鏡法
,
側方発育腫瘍
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Adenoma
,
Colonoscopy
,
Indigo Carmine
,
Intestinal Mucosa
,
Neoplasm Staging
,
History, Modern 1601-
pp.15-24
発行日 2016年1月20日
Published Date 2016/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2016150287
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1986年頃,工藤によりIIcの存在が明らかになり,1990年には,IIcの類似病変としてLST-NGが発見され,現在ではIIcと同様にLSTも国際的に認知されるに至った.LSTは腺腫癌化説に基づくLST-GとIIc類似のde novo様発育を示すLST-NGの二者に分類され,内視鏡治療指針として後者は一括切除によるESD,前者は分割EMRも許容される病変である.LST-NGは,IIcと同様に発見困難な病変が多く,Japan Polyp Studyの結果からはintervalcancerの最重要病変に位置付けられた.今後,内視鏡の画像強調などの進歩により,LST-NGの発見は容易化していくものと期待される.また,LSTの病態解明に向けて,ESDにより一括切除された切除標本を用いたさまざまな研究や,拡大内視鏡による詳細な拡大観察などから発生・発育進展の解明など,われわれ,日本の内視鏡医の将来に向けた使命と感じている.
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