発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014262315
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74歳男。下血を主訴とした。下行結腸のIsポリープとS状結腸のIspポリープに対する内視鏡的大腸粘膜切除術(EMR)後に主訴が出現し、血液検査では軽度の貧血とAPTTの延長を認めた。大腸内視鏡にてEMR部位からの出血を確認したため、EMRに伴う偶発症として対応していたが、入院第26病日に左側胸部から側腹部にかけて誘因なく巨大な皮下血腫が出現した。血液検査では血小板数とPT活性は正常であったが、貧血の進行とAPTTの著明な延長を認め、血液凝固異常の合併を疑って各種凝固検査を行った結果、凝固第VIII因子活性の著明低下と抗第VIII因子抗体活性の異常高値を認め、後天性血友病Aと診断した。プレドニソロン内服開始後は速やかにAPTTが短縮し、Hbの上昇と皮下血腫の縮小が確認された。
©Nankodo Co., Ltd., 2014