NASH-病態と治療
NAFLD/NASHにおける肝細胞癌発生の実態
谷合 麻紀子
1
,
橋本 悦子
1東京女子医科大学 消化器内科
キーワード:
肝硬変
,
肝細胞癌
,
危険因子
,
コホート研究
,
腫瘍過程
,
発生率
,
肝疾患-非アルコール性脂肪性
Keyword:
Carcinoma, Hepatocellular
,
Liver Cirrhosis
,
Neoplastic Processes
,
Risk Factors
,
Cohort Studies
,
Incidence
,
Non-alcoholic Fatty Liver Disease
pp.467-474
発行日 2013年3月20日
Published Date 2013/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013182443
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肥満・生活習慣病の急増を受けて,非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を基盤とする肝細胞癌(HCC)が増加している.その特徴として,高齢,男性に多い,肥満・生活習慣病の合併が高頻度,高度線維化例からの発癌が多いが,ウイルス性との比較では非硬変肝からの発癌が高頻度,AFPに比べPIVKA-2陽性が高頻度,などが挙げられる.NAFLD/NASHによる肝硬変からのHCC発癌率は年率2~3%でウイルス性肝硬変(年率約10%)と比較すると低頻度であるが,予後に重大な影響を与える要因である.NAFLD/NASH-HCCにおいても多段階発癌・多中心性発癌が示唆され,注意深い経過観察が必要である.
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