消化器癌化学療法-新たなエビデンスを求めて
肝細胞癌に対する全身化学療法の新展開
古瀬 純司
1
,
成毛 大輔
,
春日 章良
,
中澤 潤一
,
北村 浩
,
高須 充子
,
長島 文夫
1杏林大学 医学部内科学腫瘍内科
キーワード:
肝細胞癌
,
臨床試験
,
アルゴリズム
,
新薬開発
,
Sorafenib
,
Peretinoin
,
Tivantinib
Keyword:
Algorithms
,
Clinical Trials as Topic
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Drug Discovery
,
Sorafenib
,
(2E,4E,6E,10E)-3,7,11,15-tetramethyl-2,4,6,10,14-hexadecapentaenoic Acid
,
ARQ 197
pp.323-329
発行日 2013年2月20日
Published Date 2013/2/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013179662
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マルチキナーゼ阻害薬ソラフェニブにより,切除不能進行肝細胞癌患者において初めて生存期間の延長が得られ,ソラフェニブの保険適用が承認されている.ソラフェニブの適応は,肝機能良好かつ肝外転移,脈管浸潤あるいは肝動脈化学塞栓療法(TACE)不応例であり,これらの病態に対する標準治療として用いられている.頻度の高い有害事象は手足皮膚反応,皮疹,下痢,高血圧,肝機能障害などであり,投与開始から1ヵ月以内の比較的早期に発現することが多く,適切な対応が必要である.他剤との併用,TACEや肝切除,ラジオ波焼灼療法(RFA)などの局所治療との併用については,これまでのところ有用性は確立していない.ソラフェニブ後,多くの新たな分子標的薬が肝細胞癌を対象に臨床試験が行われているが,これまでのところ有効性が確認された薬剤は出てきていない.今後,効果予測となるバイオマーカーに基づいた薬剤開発が望まれる.
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