進行肝細胞癌の治療戦略
進行肝細胞癌に対する分子標的薬治療の適応と成績 外科切除後の分子標的薬治療
梶原 崇弘
1
,
森口 正倫
,
高山 忠利
1日本大学 医学部消化器外科
キーワード:
肝細胞癌
,
養子免疫療法
,
Interferon-Alpha
,
アジュバント化学療法
,
第III相試験
,
治療成績
,
Sorafenib
,
Peretinoin
,
分子標的治療
Keyword:
Carcinoma, Hepatocellular
,
Immunotherapy, Adoptive
,
Interferon-alpha
,
Clinical Trials, Phase III as Topic
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Treatment Outcome
,
Molecular Targeted Therapy
,
Sorafenib
,
(2E,4E,6E,10E)-3,7,11,15-tetramethyl-2,4,6,10,14-hexadecapentaenoic Acid
pp.1075-1081
発行日 2015年6月20日
Published Date 2015/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2015304279
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肝細胞癌根治術後の5年再発率はおよそ70%にのぼる.さまざまな補助化学療法が検討されてきたが標準化されたものはない.根治的治療後のソラフェニブによる術後補助化学療法の有効性を評価したSTORM試験の結果では,主要評価項目であるRFSの中央値はソラフェニブ群33.4ヵ月vs.プラセボ群33.8ヵ月であり,ソラフェニブ投与による改善を認めなかった(HR=0.940,95% CI:0.780~1.134,片側p=0.26).また,TTRおよびOSについても同様に改善は認めなかった.治療期間はソラフェニブ群で有意に短く,有害事象は,既知と同様であった.ソラフェニブは細胞増殖抑止薬であり,再発に対しては十分な効果が得られなかった可能性がある.抗腫瘍効果の高い分子標的薬の開発やインターフェロンやペレチノインなどとも連動した加療も視野に引き続き検討していく必要があると考える.
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