肝癌診療の最前線-知っておきたい診断・治療の新情報
わが国におけるsorafenibの成績と使い方
春日 章良
1
,
高須 充子
,
北村 浩
,
長島 文夫
,
古瀬 純司
1杏林大学 医学部腫瘍内科
キーワード:
肝細胞癌
,
下痢
,
高血圧
,
発疹
,
第III相試験
,
治療成績
,
Sorafenib
,
手足症候群
Keyword:
Diarrhea
,
Exanthema
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Hypertension
,
Treatment Outcome
,
Clinical Trials, Phase III as Topic
,
Hand-Foot Syndrome
,
Sorafenib
pp.380-385
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012175470
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・進行肝細胞癌治療の近年の進歩の一つとして、局所治療の適応とならない進行肝細胞癌の標準治療としてsorafenibが確立したことがあげられる。・sorafenibは経口可能なマルチキナーゼ阻害薬であり、従来の腫瘍縮小効果で示される抗腫瘍効果はほとんどないものの、腫瘍抑制効果を認め、肝細胞癌ではじめて生存期間延長効果を示した薬剤である。・本邦では、海外での第III相試験、本邦での第I相試験を受けて、2009年5月に保険承認された。特定使用成績調査中間報告では、第III相試験と同等以上の治療効果が見込まれている。・肝不全などの重篤な副作用や手足症候群など特徴的な副作用をもつ薬剤でもあるため、副作用対策の知識と習熟が治療継続に必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012