栄養代謝制御における消化管生理活性ペプチドの役割
癌悪液質とグレリン 内在性グレリンシグナルを高めることによる癌悪液質の改善
上園 保仁
1
,
寺脇 潔
,
澤田 祐美
,
柏瀬 陽平
,
須藤 結香
1国立がん研究センター研究所 がん患者病態生理研究分野
キーワード:
悪液質
,
胃腫瘍
,
食欲不振
,
膵臓腫瘍
,
六君子湯
,
Ghrelin Receptors
,
Ghrelin
Keyword:
Anorexia
,
Cachexia
,
Pancreatic Neoplasms
,
Stomach Neoplasms
,
Receptors, Ghrelin
,
Ghrelin
pp.737-743
発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013272245
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進行癌患者の多くは食思不振,体重減少などの「悪液質」を呈するが,有効な治療法はない.悪液質の治療には,(1)食思改善,(2)生体代謝のバランス調整,(3)筋肉増強がある.なかでも摂食ペプチドシグナル系,とくに末梢で唯一の食思促進ペプチド,グレリンの生体内作用の増強にかかわる研究が注目されている.グレリンの補充療法は有力な治療候補である一方,漢方薬,六君子湯のグレリンシグナル増強薬としての効果も注目されており,構成成分のうち陳皮,生姜,蒼朮が生体内グレリンシグナルを増強させる結果が得られている.癌悪液質の予防・治療の推進は重要な課題であり,癌悪液質と摂食ペプチドの研究はますます重要になってくると考える.
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