消化管疾患に対する漢方医学からのアプローチ-現状と展望
消化管疾患に対する漢方医療の実際 消化器癌に対する補助療法 全身状態改善とがん化学療法副作用軽減
元雄 良治
1
1金沢医科大学 腫瘍内科学・集学的がん治療センター
キーワード:
Cisplatin
,
漢方薬
,
血液疾患
,
下痢
,
抗腫瘍剤
,
口内炎
,
消化器腫瘍
,
食欲不振
,
疲労
,
末梢神経系疾患
,
Paclitaxel
,
関節痛
,
Irinotecan
,
Oxaliplatin
,
筋肉痛
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Anorexia
,
Cisplatin
,
Drugs, Chinese Herbal
,
Diarrhea
,
Fatigue
,
Digestive System Neoplasms
,
Hematologic Diseases
,
Peripheral Nervous System Diseases
,
Stomatitis
,
Paclitaxel
,
Arthralgia
,
Myalgia
,
Oxaliplatin
,
Irinotecan
pp.215-220
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013120331
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
消化管癌患者の全身状態改善には補中益気湯・十全大補湯が用いられ,腫瘍熱を呈する患者には抗炎症作用をもつ漢方製剤の投与が勧められる.化学療法の副作用軽減では,食欲不振に対する六君子湯の基礎的・臨床的報告が増えている.オキサリプラチンの末梢神経障害には牛車腎気丸の効果が検討されているが,まだ確固たる成績は得られていない.血液毒性には十全大補湯・加味帰脾湯・人参養栄湯など,口内炎に半夏瀉心湯の効果が報告されている.標準治療を完遂するために,まだエビデンスレベルの高い臨床研究は少ないが,化学療法の支持療法としての漢方は実地診療に定着しつつある.
Copyright © 2013, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.