消化器神経内分泌腫瘍
日本における神経内分泌腫瘍の疫学
伊藤 鉄英
1
1九州大学 大学院医学研究院病態制御内科学
キーワード:
消化器腫瘍
,
発生率
,
有病率
,
神経内分泌腫瘍
,
実態調査
Keyword:
Digestive System Neoplasms
,
Incidence
,
Prevalence
,
Neuroendocrine Tumors
pp.13-19
発行日 2012年12月20日
Published Date 2012/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2013116814
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
神経内分泌腫瘍(NET)の疫学,病態,治療などに関して,わが国では包括して討議される機会があまりなかった.2004年に膵・消化管NETに関する診断・治療ならびに研究に関わる最新情報の共有化,情報交換をはかり,本領域における臨床,基礎での研究の発展に貢献することを目的にNET Work Japanが設立され,日本で膵・消化管NETの実態調査,および全国疫学調査が施行された.2005年の膵神経内分泌腫瘍(膵NET)の受療者数は2,845人と推定され,機能性1,627人,非機能性1,218人であった.非機能性膵NETでは悪性率およびMEN1の合併率において欧米と大きな差を認めた.一方,消化管神経内分泌腫瘍(消化管NET)の受療者数は4,406人と推定され,部位別では中腸が少なく後腸が多く,欧米と大きな差を認めた.現在,2010年の膵・消化管NETを対象に第2回全国疫学調査が施行され解析中であり,5年間でどのような推移を示すか興味がもたれる.
Copyright © 2012, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.