神経内分泌腫瘍(NET)のすべて
基礎 神経内分泌腫瘍(NET)の疫学と現状
伊藤 鉄英
1
,
五十嵐 久人
,
中村 和彦
,
笹野 公伸
,
田中 雅夫
,
今村 正之
1九州大学 病態制御内科
キーワード:
消化器腫瘍
,
発生率
,
有病率
,
神経内分泌腫瘍
Keyword:
Digestive System Neoplasms
,
Incidence
,
Prevalence
,
Neuroendocrine Tumors
pp.799-804
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011299300
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神経内分泌腫瘍(NET)の疫学、病態、治療などに関して、わが国では包括して討議される機会があまりなかった。2004年に消化器神経内分泌腫瘍(GEP-NET)に関する診断・治療ならびに研究にかかわる最新情報の共有化、情報交換を図り、本領域における臨床・基礎での研究の発展に貢献することを目的にNeuroendocrine Tumor Workshop Japan(NET Work Japan)が設立され、日本でGEP-NETの実態調査および疫学調査が施行された。2005年1年間の膵内分泌腫瘍(P-NET)の受療者数は2,845例と推定され、機能性1,627例、非機能性1,218例であった。非機能性P-NETでは悪性率および多発性内分泌腫瘍1型(MEN1)の合併率において欧米と大きな差を認めた。一方、消化管神経内分泌腫瘍(GI-NET)の受療者数は4,406例と推定され、部位別では中腸が少なく後腸が多く、欧米と大きな差を認めた。
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