高齢者の透析導入を再考する
高齢腎不全患者の保存療法 その徹底と限界
中山 昌明
1
,
田中 健一
,
山本 多恵
,
宮崎 真理子
,
菅野 厚博
,
佐藤 壽伸
1福島県立医科大学 腎臓高血圧内科
キーワード:
血液透析
,
コホート研究
,
生活の質
,
患者中心医療
,
要介護者
,
アメリカ
,
ヨーロッパ
,
慢性腎臓病
Keyword:
Europe
,
Renal Dialysis
,
Quality of Life
,
United States
,
Cohort Studies
,
Patient-Centered Care
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.41-48
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016137499
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
要介護高齢慢性腎臓病(CKD)患者の生命予後は不良である現実を踏まえた場合,高齢CKD患者においては,良好な栄養状態と体力の保持をはかり,フレイルを予防することは,保存療法の重要な目標である.一方,要介護高齢患者の透析導入後の予後は,生存率,QOLともに不良であり,透析治療による医学的利点は確認されていない.このような現実を踏まえ,欧米では透析導入の判断に際してはpatient-centered care,shared decision makingに基づいた議論が盛んになっている.透析非導入を選択する例には,患者の尊厳を損なわずにQOLを維持できる具体的療法・ケアを提供することが必要だが,本邦においてはこの整備は大きな課題である.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.