透析室での臨床研究-研究デザインと研究のまとめ方
観察研究 コホート研究
井関 邦敏
1
1琉球大学医学部附属病院 血液浄化療法部
キーワード:
医学会
,
危険因子
,
血液透析
,
コホート研究
,
死亡
,
腎不全-慢性
,
沖縄県
,
慢性腎臓病
Keyword:
Death
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Risk Factors
,
Societies, Medical
,
Cohort Studies
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.403-408
発行日 2013年4月10日
Published Date 2013/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013199509
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わが国は住民健診,人間ドックなどの健診体制が世界一完備している.しかし,長期観察(アウトカム)研究は少なく慢性腎臓病(CKD),末期腎不全(ESKD)の自然歴には不明な点が多い.沖縄透析研究では,沖縄県内の住民健診および透析患者データベースを基に一般住民のCKDの頻度,ESKD発症率を解析し,健診の臨床的意義について検討している.観察研究ではコホート選択のバイアスが避けられないが,ランダム化比較試験(RCT)では得られない地域差,生活習慣の相違や実態を知るうえで貴重な資料となる.実地医家にとっては個々の経験から得られた知恵を検証できる利点がある.日本腎臓学会,日本透析医学会によるコホート研究は,腎臓病の臨床研究の活性化に寄与するものと考えられる.
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