CKD貧血ガイドライン-二度の改訂を巡って
わが国の貧血ガイドラインと欧米のガイドラインの違い
濱野 高行
1
1大阪大学 大学院医学系研究科腎疾患統合医療学
キーワード:
C-Reactive Protein
,
Hemoglobins
,
造血剤
,
鉄
,
貧血
,
診療ガイドライン
,
アメリカ
,
日本
,
ヨーロッパ
,
慢性腎臓病
Keyword:
Anemia
,
C-Reactive Protein
,
Europe
,
Hemoglobins
,
Hematinics
,
Japan
,
United States
,
Practice Guidelines as Topic
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Iron
pp.183-190
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2017163963
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KDIGO貧血ガイドラインでは,介入の害と益に関しては,全死亡,透析導入,心血管イベントなどのハードアウトカムが重視され,ソフトアウトカムとしてはQOLが採択された.一方で日本では,とくにアウトカムは明示されなかった.一般に欧米人では日本人に比しCRP値が高く,そのためフェリチン値は高い.よって鉄管理基準に関して日本と明瞭な差がある.欧米でのESA使用を曝露因子としたRCTがESAの副作用を白日の下にさらした.一方で鉄剤使用に関するRCTが臨床上重要なアウトカムを改善したという背景もあり,Iron firstが謳われた.日本でもフェリチン<100ng/mL「かつ」TSAT<20%でしか鉄を投与できなかったが,鉄の囲い込みがない状況下では,「または」に変更された.
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