維持透析患者の「満足度」を検証する
実態調査の結果 抑うつ状態にある維持透析患者の満足度
中村 菜々子
1
,
五十嵐 友里
,
堀川 直史
1兵庫教育大学附属発達心理臨床研究センター
キーワード:
医療関係者の態度
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
患者の満足度
,
保健医療サービスの必要と要求
,
抑うつ
,
精神的ケア
,
傾聴
Keyword:
Attitude of Health Personnel
,
Depression
,
Kidney Failure, Chronic
,
Health Services Needs and Demand
,
Renal Dialysis
,
Patient Satisfaction
pp.1137-1144
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015340618
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抑うつ状態は,気分,行動,思考,身体に症状として現れ,それぞれが相互に作用し合って維持される.また,抑うつ状態を抱える患者を取り巻く環境要因と患者との間の相互作用により,維持される.つまり,抑うつ状態や抑うつ状態に伴う透析患者の満足度は,各種の要因が多様なレベルで相互作用することで生じうる.したがって,抑うつ状態への対応では,根本となる原因を一つ探求するというよりも,現在続いている悪循環を整理し,それによって患者がどのような不具合を感じているのか,その内容を整理していくことが支援の出発点となる.整理の具体的な方法と,患者の問題を整理・共有した際に医療者に生じうる「理解に基づいた共感」の重要性について述べた.
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