維持透析患者の「満足度」を検証する
実態調査の結果 透析医療の質、患者のQOLと満足度
政金 生人
1
1清永会矢吹病院 腎臓内科
キーワード:
血液透析
,
処方
,
腎不全-慢性
,
生活の質
,
予後
,
患者の満足度
,
自律神経失調症
Keyword:
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Quality of Life
,
Prognosis
,
Patient Satisfaction
,
Prescriptions
pp.1171-1178
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015340623
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近年,医療のさまざまな領域において,治療の質を患者のQOLや満足度を考慮に入れて総合的に評価しようとする試みがなされている.慢性透析においても例外ではないが,患者QOLや満足度を考慮した透析医療の質的評価の手法は確立されていない.透析患者には透析低血圧,うつ,不眠,?痒などQOLを低下させる愁訴が広く認められ,これらは予後を悪化させる因子である.透析患者は顕性・非顕性に透析不足の状態にあり,愁訴は透析不足のサインである.ターゲットとする愁訴を決め,患者と相談しながら愁訴を一つひとつ消していくことが大切である.患者の愁訴を中心に据えた透析治療は,治療の質を担保して,患者のQOLの高い長期生存を可能にする治療ストラテジーであるといえる.
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