維持透析患者の「満足度」を検証する
透析患者にとって生活満足度指標がもつ意味
杉澤 秀博
1
1桜美林大学 大学院老年学研究科
キーワード:
血液透析
,
個人的満足
,
腎不全-慢性
,
心理的適応
,
生活の質
,
患者の満足度
Keyword:
Adaptation, Psychological
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Personal Satisfaction
,
Quality of Life
,
Patient Satisfaction
pp.1115-1121
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015340615
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本稿では,透析患者のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質;QOL)の評価指標としてよく用いられている「健康関連のQOL指標」の特徴と限界,それを踏まえて生活満足度指標をQOL指標として用いることの意味を考えてみたい.健康関連のQOL指標は,健康問題や治療に伴う生活影響を患者自身に評価してもらうものである.この指標は,透析方法,併存疾患や合併症の治療法など透析医療の効果評価に用いられている.しかし,透析患者にとっては透析の制約から解放されることはあまり期待できないことから,健康関連のQOL指標が低くても,それを受け入れた新しい生活の選択をすることが必要となる.その選択のありようを評価する指標として,またそれを踏まえた心理・社会的介入方法の検討の材料として,全体的あるいは領域別の生活満足度指標が有用である.
Copyright © 2015, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.