骨関節障害・CKD-MBDの概念を再考する
骨 透析患者の骨はどうして折れやすいのか?
風間 順一郎
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1新潟大学医歯学総合病院 血液浄化療法部
キーワード:
血液透析
,
骨疾患-代謝性
,
骨折-自然
,
骨粗鬆症
,
副甲状腺機能亢進症-続発性
,
腎不全-慢性
,
弾性
,
尿毒症
Keyword:
Bone Diseases, Metabolic
,
Elasticity
,
Fractures, Spontaneous
,
Hyperparathyroidism, Secondary
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Osteoporosis
,
Uremia
pp.667-674
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015272545
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透析患者に大腿骨近位部骨折が多いことは間違いないようである.しかし,少なくとも近年においては透析患者の大腿骨近位部骨折は副甲状腺機能異常との関連が乏しい.実験腎障害動物では,腎機能が低下するだけで骨量やミネラル代謝とは無関係に長管骨の弾性力学特性が低下した.この弾性力学特性の低下は,腎機能が低下したままでも経口吸着薬で尿毒物質の血中濃度を低下させただけで一部レスキューされた.このような病態を,われわれは「尿毒症性骨粗鬆症」と命名した.尿毒症性骨粗鬆症の病態は,加齢に伴う骨粗鬆症像に酷似している.
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