骨関節障害・CKD-MBDの概念を再考する
骨 透析患者の骨モデリング・リモデリング
平松 里佳子
1
,
乳原 善文
1虎の門病院腎センター 内科
キーワード:
血液透析
,
骨ジストロフィー-腎性
,
腎不全-慢性
,
骨組織リモデリング
Keyword:
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder
,
Bone Remodeling
pp.659-665
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015272544
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骨リモデリングは成人の骨格で起こる一連の骨形成と吸収機構をいい,活性化→吸収→逆転→形成→休止の順で連鎖的に起こる.基本的形状が変わらず,成長により肉眼的レベルで骨の大きさが大きくなる過程をマクロモデリングといい,形状変化が光学顕微鏡レベルの骨梁でみられる場合,ミニモデリングという.この過程では活性化→形成→休止と休止期から骨吸収過程を経ずに骨表面に直接,層板骨形成がみられる.リモデリングとミニモデリングは組織学的にはセメント線の形状に違いがみられる.リモデリングでは先行した骨吸収を示す凹凸の吸収窩(scalloping)がみられるが,ミニモデリングではセメント線は平滑になる.透析患者においては骨リモデリング頻度の著しく低下した無形成骨の骨組織においてミニモデリングが認められ,骨量維持の一因となっている可能性がある.
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