発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015026899
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症例は60歳代男で、糖尿病性腎症による慢性腎不全のため3年6ヵ月前に透析導入となったが、発熱、食思不振が出現し、会陰部の蜂窩織炎、排膿を認めた。血液所見で白血球、CRPの著明上昇を、CTで右陰嚢内、両側臀部、右会陰部皮下組織内に多量のガス、会陰部・臀部では脂肪織の混濁、肛門周囲に低吸収域の膿瘍を認めた。フルニエ壊疽と診断し、γグロブリン併用でメロペネムの全身投与を行うと共に、臀部から陰嚢背部にかけて広範囲に切開およびデブリードメントを施行し、連日洗浄を行った。収縮期血圧が80~90mmHg台となり、水分出納管理困難であることよりCHDFを施行し、解熱傾向、炎症反応改善が得られた。しかし排便による創部汚染で治癒が遷延したため術後30日目に人工肛門を造設し、肉芽形成目的でアクトシン軟膏を塗布した。術後5ヵ月で会陰部膿瘍は一部に残存するのみとなり、経過良好である。
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