発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2015026900
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症例は65歳女で、約10年前に糖尿病を指摘され、次第に腎機能が低下し透析導入となった。狭心症に対してステント留置術が施行され、在宅酸素療法も導入されたが症状が残存した。当初は透析治療に伴う訴えや不満が多く、スタッフは近づけず距離を置いていたが、訴えの傾聴を心がけて少しずつ会話が増え、透析で隣り合わせた患者と話す姿もみられるようになった。担当医が心機能改善の試みとしてL-カルニチン静脈注射を提案し、同意を得て投与を開始したところ、症状は改善して身体活動能力質問票で辛いと訴えていた炊事、掃除、布団の上げ下ろしができるようになった。また透析中の血圧低下に伴う腹痛に対して積極的な治療を希望し、虚血性腸炎の診断でカテーテル治療を受け、腹痛の訴えは消失した。透析日以外の外出や買い物などもできるようになり、在宅酸素は殆ど使用していない。
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