発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016250031
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症例は79歳男性で、40歳時に2型糖尿病と診断され、68歳時に糖尿病性腎症のため血液透析を導入された。78歳時に急性心筋梗塞に対し、冠動脈バイパス術が行われた。79歳時に閉塞性動脈硬化症に対しステント留置術が行われた。入院21日前より発熱を認め、透析とセフォチアムヘキセチルを使用したが解熱せず受診した。腹部CTで左尿管結石と腎盂の拡張を認め、血液検査ではCRP 16.9mg/dLと高値であった。尿管結石および尿路感染症と診断し、入院しメロペネム静脈内投与を開始した。血液培養よりSerratia marcescensが検出された。入院後もボグリボースを継続したが、空腹時血糖値が200mg/dLと高値で、尿路感染症の影響もあり、経口薬による血糖コントロールは困難と考え、超速効型インスリンに変更した。解熱傾向が得られ、インスリンからシタグリプチンに変更したが血糖コントロール悪化は認めず、第19病日から3日間持続血糖モニター(CGM)にて血糖変動を評価した。入院中はCGM中も含め、毎食前と就寝前の少なくとも1日4回の血糖測定を行った。シタグリプチンは糖尿病合併維持血液透析患者に対し、有用な選択肢となると思われる。
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