発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014224448
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は69歳女で、40歳時に大動脈炎症候群と診断され、腎機能障害が進行したため腎代替療法を考慮した。心臓超音波所見等より自己血管使用皮下動静脈瘻(AVF)による血液透析を選択したが、両側橈骨動脈拍動は動脈硬化のため触知できず、静脈路がある左前腕標準位置にAVFを作製した。血管造影検査で吻合部に狭窄は認めず、中枢側静脈の描出も良好であったが、150ml/minで血液透析を開始したところ疼痛が生じた。精査で全身に強い動脈病変を認め、カテーテルインターベンションの適応はなく、クロピドグレル内服によりシャント血流量増加を図ったうえで週3回の4時間透析を施行した。腎不全データは管理可能であったがシャント肢痛は持続し、動脈血流を介するバスキュラーアクセス全般が危険と考えられたが、腹膜透析は拒否されたため、長期留置カテーテルを右内頸静脈に留置した。血流量180ml/min以上でも痛みは出現せず、維持透析継続となった。
Copyright © 2014, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.