発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014062693
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症例は72歳男性で、61歳時より糖尿病性腎症による慢性腎不全で透析療法となり、両側後天性多発嚢胞腎(ACDK)の状態であった。63歳時に二次性甲状腺機能亢進症で副甲状腺亜全摘術の既往があった。今回、左背部痛で受診し、脊椎疾患疑いで整形外科に入院となったが、Hb値低下で緊急CTにて左腎周囲血腫を認め、当科に転科した。造影CTで両側腎多発嚢胞を認め、左腎後外側を中心に血腫が認められた。出血源となる所見はなく、血腫は腎被膜内にあると思われ、Gerota筋膜内に留まってタンポナーデ状になっていると考えられた。ACDKに合併する腎癌からの出血を疑い腎摘除術を勧めるも患者・家族は保存的治療を希望し、血液透析と輸血にてHb値の改善を認め、CT上血腫の増大を認めず、14日目に退院した。退院後3ヵ月間のフォローアップCTで血腫の縮小傾向が認められた。
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