発行日 2015年12月10日
Published Date 2015/12/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2016087861
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症例は50歳代女性で、7年前に動脈瘤破裂によるクモ膜下出血に対してクリッピング術を施行した。多発性嚢胞腎による腎不全のため2年前に透析導入となった。その頃から月に数回、両手指の振戦や日中の眠気を自覚した。ベッドで意味不明な発言をしていることに夫が気付き、救急車で搬送された。貧血、軽度の低アルブミン値症、γ-GTP上昇を認めた。2日空けた透析予定日であり、BUNとCrは高値であったが電解質異常はなかった。血清アンモニア値が著明に上昇していた。腹部超音波検査では多発性腎嚢胞、多発肝嚢胞があり、門脈や総胆管は抽出困難であった。門脈低形成とPVシャントに起因する高アンモニア血症と診断した。内科的治療で肝性脳症が落ち着いているため経過観察中である。
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