症例
透析患者の第2子妊娠管理
大山 恵子
1
,
大山 博司
,
城和 美穂子
,
佐野 智子
,
久住 真佐子
,
横関 美枝子
,
藤森 新
1つばさクリニック
キーワード:
Calcium Carbonate
,
血液透析
,
妊娠管理
,
腎不全-慢性
,
鉄
,
血中尿素窒素
,
妊娠合併症
,
母性年齢35歳以上
,
Nafamostat
,
貧血-腎性
,
Darbepoetin Alfa
,
高リン酸血症
,
ドライウェイト
Keyword:
Blood Urea Nitrogen
,
Calcium Carbonate
,
Renal Dialysis
,
Darbepoetin alfa
,
Kidney Failure, Chronic
,
Prenatal Care
,
Iron
,
Pregnancy Complications
,
Hyperphosphatemia
,
Nafamostat
pp.303-306
発行日 2021年2月25日
Published Date 2021/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2021190159
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症例は38歳女性で、14歳時にIgA腎症と診断され、20歳時には末期腎不全に至り血液透析療法が導入された。35歳で結婚し、36歳時6月に妊娠が確認され、第1子を出産した。第1子出産から約1年9ヵ月後、血液ヒト絨毛性ゴナドトロピンが高値となり、その後胎嚢が確認され妊娠管理開始となった。妊娠が判明した時点から、第1子での経験も踏まえて、大量補液による胎嚢へのリスク回避を目的にオンラインHDFをHDへ変更、抗凝固薬を第1子妊娠に準じて低分子ヘパリンからメシル酸ナファモスタットへ変更、胎児への危険性が疑われる薬物として睡眠導入薬のゾルピデムの禁止、高リン血症改善薬の炭酸ランタン水和物の沈降炭酸カルシウムへの変更などを行った。透析前BUNを50mg/dL以下に維持することを目的に、妊娠10週より週4回4時間(16時間/週)透析へ変更した。以後BUNの数値をみながら、妊娠17週より週4回4~4.5時間(17時間/週)透析、妊娠20週より週4回4.5時間(18時間/週)透析、妊娠23週からは週5回4.5時間(22.5時間/週)透析を基本として、必要に応じて透析回数と時間を調整し、入院する妊娠27週まで継続した。妊娠33週で陣痛があり、骨盤位であったため帝王切開によって1595gの第2子を出産し、分娩後は母児ともに特別な異常なく経過している。
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