第28回大腸Ⅱc研究会優秀演題
開大の目立たないⅡ型様pit patternを基盤とする鋸歯状病変癌化の1症例
原田 英嗣
1,2
,
田中 義人
1,3
,
松下 弘雄
1
,
吉川 健二郎
1
,
高木 亮
1
,
加藤 文一朗
1
,
佐々木 真
1
,
橋本 大志
1
,
菅井 有
3
,
上杉 憲幸
3
,
永塚 真
3
,
山野 泰穂
4
1秋田赤十字病院消化器病センター
2徳島赤十字病院消化器内科
3岩手医科大学医学部病理診断学講座
4札幌医科大学医学部消化器内科学講座
キーワード:
鋸歯状病変
,
癌化
,
拡大観察
Keyword:
鋸歯状病変
,
癌化
,
拡大観察
pp.448-454
発行日 2021年12月20日
Published Date 2021/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000647
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症例は70歳代,男性.下部消化管内視鏡検査で横行結腸に長径8mm大の0-Ⅱa病変を認めた.色素拡大観察で病変の大部分は,開大や星芒状所見が目立たないⅡ型様pit patternで占められており,また病変の一部には径2mm程度の類円形の異質な領域が認められ,同部はⅤi型pit patternと診断した.またクリスタルバイオレット(CV)染色にて,前述2領域間に,やや大柄で複雑化した星芒状pitが存在する,わずかな領域を認識した.以上の所見から,なんらかの鋸歯状病変を基盤とし,病変内の一部に異型度の変化をきたし,その領域の大部分に癌化を生じた病変と考えた.深達度はTisと判断し,診断的治療目的に内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;EMR)を行った.病理診断はModerately differentiated adenocarcinoma(tub2) in sessile serrated adenoma/polyp,depth pTis,Ly0,V0,pHM0,pVM0であった.
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