Japanese
English
今月の主題 大腸鋸歯状病変の発育進展と診断・取り扱い
主題
大腸鋸歯状病変の臨床的取り扱い―私はこう考える
Clinical Treatment of Colorectal Serrated Adenoma: My View
小林 広幸
1
Hiroyuki Kobayashi
1
1松山赤十字病院胃腸センター
キーワード:
過形成性ポリープ
,
鋸歯状腺腫
,
鋸歯状病変
,
癌化
,
治療
Keyword:
過形成性ポリープ
,
鋸歯状腺腫
,
鋸歯状病変
,
癌化
,
治療
pp.335-336
発行日 2007年3月25日
Published Date 2007/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100974
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大腸鋸歯状病変とは
従来,腺管構造が鋸歯状を呈する病変は病理組織学的には過形成性ポリープ(hyperplastic polyp;HP)として取り扱われ,非腫瘍性で悪性化することのない無害な病変とされていた.ところが,HPの形態学的特徴である腺管の鋸歯状構造を呈しながら個々の細胞レベルでみると腺腫同様の細胞異型を示す病変やその一部が癌化した病変が報告されるようになり,今日ではこのような病変は通常の腺腫(traditional adenoma;TA)同様に腫瘍性病変として取り扱われ鋸歯状腺腫(serrated adenoma;SA)と呼ばれている1).なお,SAの中にはHPまたはTAのcomponentを伴う病変(mixed polyp;MP)も少なからず存在し,HP→SA(→TA)→癌という新たな大腸癌の発癌経路も明らかになってきている2).さらに,最近ではHPそのものが増大し直接癌化したと推測される早期癌も報告されるようになり3)4),両者を合わせたHPからの発癌経路(serrated pathway)が注目されている.このため,このような病理組織学的に病巣内に鋸歯状の腺管構造を有する病変は,今日では一括して鋸歯状病変(serrated polyp;SP)と総称され4),その臨床病理学的取り扱いが問題となってきている.
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