特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅴ.症例(2)完全内視鏡切除後4 年目に再発が確認された直腸癌の1 例
山野 泰穂
1,2
,
吉川 健二郎
2
,
松下 弘雄
2
,
原田 英嗣
2
,
吉田 優子
2
,
加藤 文一朗
2
,
佐々木 真
2
,
田中 義人
2,3
,
永塚 真
3
,
上杉 憲幸
3
,
菅井 有
3
1札幌医科大学消化器内科学講座
2秋田赤十字病院消化器病センター
3岩手医科大学病理診断学講座
キーワード:
早期大腸癌
,
内視鏡治療
,
遺残再発
,
拡大内視鏡
,
標本処理
,
病理評価
Keyword:
早期大腸癌
,
内視鏡治療
,
遺残再発
,
拡大内視鏡
,
標本処理
,
病理評価
pp.267-274
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000343
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症例は70 歳代,男性.検診にてFOBT 陽性を指摘され,大腸内視鏡検査にて直腸Rb に径8 mm のⅡa 病変を指摘.拡大内視鏡診断にて一部に腺腫成分を伴った高分化腺癌,粘膜内からSM 微小浸潤と判断して内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行した.当時の病理組織診断はAdenocarcinoma(tub1) in adnoma,浸潤距離598μm,ly0,v0.断端陰性の完全切除であった.しかし4 年後の定期検査時に同部位に中心隆起を伴うひだ集中所見を認めた.病変は過伸展した正常粘膜の立ち上がりと浅い陥凹,小さな円形様の上皮欠損を認め,拡大内視鏡診断にて遺残再発した癌と判断した.手術治療を行い4 年前の早期癌治療後の遺残再発と判断した.完全切除であってもまれに遺残再発をきたすことが報告されており,本症例もその1 例と考え再発の経緯を考察して報告した.
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