Japanese
English
今月の主題 大腸鋸歯状病変と癌化
序説
大腸鋸歯状病変からの癌化―歴史的流れと現状の問題点
Introduction
藤盛 孝博
1
Takahiro Fujimori
1
1獨協医科大学病理学(人体分子)
キーワード:
鋸歯状病変
,
広基性鋸歯状腺腫/ポリープ
,
SSA/P
,
分化異常
,
癌化
,
BRAF遺伝子異常
Keyword:
鋸歯状病変
,
広基性鋸歯状腺腫/ポリープ
,
SSA/P
,
分化異常
,
癌化
,
BRAF遺伝子異常
pp.370-372
発行日 2011年4月25日
Published Date 2011/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403102173
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本特集号の目的は,鋸歯状病変の病理診断基準を確立し,鋸歯状病変の癌化の危険性を評価するために,癌化病変の臨床的,病理学的,分子生物学的特徴を明らかにすることである.
他誌の序説であるが,酒井1)は“基底膜が鋸歯状をなす,鋸の歯というより,なだらかに波打った曲線を形成する病態が存在する.これには過形成の結果生じる過形成ポリープと腫瘍としての腺腫とがある.鋸歯状腺腫は後者であり,あくまでも良性の腫瘍性増殖を指すはずである.10年前LongacreとFenoglio-Preiserの提唱以来,にわかに脚光を浴びるようになったが(Am J Surg Path 14 : 524-537, 1990),混乱してよくわからないのが本音である.その後Fenoglio-Preiserは過形成ポリープ,通常の腺腫(腺管腺腫,絨毛腺腫,腺管絨毛腺腫を含めて),平坦型腺腫,鋸歯状腺腫,過形成ポリープ混在腺腫について個々に説明し(胃と腸 33 : 817-823, 1998),組織学的に杯細胞の未成熟,表在性の核分裂,核小体の存在,好酸性の原形質などが特徴的と述べているが,どうも釈然としない”と述べている.
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