Japanese
English
特集 外科医に必要なPET検査の知識―その有用性と問題点
炎症性腸疾患の発癌症例とPET検査
PET for inflammatory bowel disease
池内 浩基
1,2
,
内野 基
1,2
,
松岡 宏樹
1,2
,
坂東 俊宏
1,2
,
竹末 芳生
3
,
冨田 尚裕
1
Hiroki IKEUCHI
1,2
1兵庫医科大学下部消化管外科
2兵庫医科大学炎症性腸疾患センター
3兵庫医科大学感染制御部
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
FDG-PET検査
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
FDG-PET検査
pp.258-265
発行日 2010年2月20日
Published Date 2010/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102973
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要旨:潰瘍性大腸炎に合併するcolitic cancer症例の臨床的特徴として,診断時の炎症の程度をCRPで検討すると,CRPが陽性でステロイド治療を受けている症例はごくわずかである.活動期の症例に対してFDG-PET検査を行っても大腸全体に集積されてしまう.CRPが陰性の症例に対して,癌の壁深達度と集積の関係を検討すると,MP癌以上の症例では集積を認めた.このなかには術前診断がdysplasiaの症例も含まれており,FDG-PET検査で集積を認める症例では,病理診断がdysplasiaであっても進行癌の可能性が高く,手術を急ぐべきである.一方,クローン病の領域では,直腸肛門の活動性の病変部位に癌が合併することが多い.また,組織学的に集積率の悪い粘液癌が多いこともあり,サーベイランス目的のFDG-PET検査の有用性は指摘できないのが現状である.
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