Japanese
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今月の主題 大腸スクリーニングの現状と将来展望
序説
大腸スクリーニングの現状と将来展望
Introduction
赤松 泰次
1
Taiji Akamatsu
1
1長野県立信州医療センター内視鏡センター
キーワード:
大腸癌
,
対策型検診
,
個別検診
Keyword:
大腸癌
,
対策型検診
,
個別検診
pp.1125-1127
発行日 2017年8月25日
Published Date 2017/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201140
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はじめに
近年日本人の死因は悪性新生物が第1位を占め,そのなかで大腸癌と肺癌が急速に増加してきている.かつては胃癌が悪性新生物による死因のトップを占めていたが,胃癌の大きなリスク要因であるHelicobacter pylori(H. pylori)感染者の年代的な減少傾向,H. pylori感染症を軸とした胃癌予防対策,対策型胃検診への内視鏡の導入などによって,近い将来胃癌死亡は急激に減少していくと考えられる.
一方,大腸癌のリスク因子として従来,遺伝的素因,脂肪摂取量の増加(食事の欧米化),炎症性腸疾患の罹患,大腸ポリープの既往,胆囊摘出など,さまざまな要因が挙げられている.しかし,大腸癌では“胃癌に対するH. pylori感染”,“肺癌に対する喫煙”,“肝癌に対する肝炎ウイルス”など“definite carcinogen”と言えるようなリスク因子が特殊な症例を除いては判明していないために一次予防が困難で,大腸癌の対策は二次予防が中心となって行われているのが現状である.
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