特集 大腸癌のスクリーニングとサーベイランスの標準化に向けて─ 新しい知見から
Ⅰ.スクリーニング(9) 新規バイオマーカーを用いた大腸癌スクリーニングへの期待とエビデンス
高丸 博之
1
,
角川 康夫
1,2
,
関口 正宇
1,2
,
山田 真善
1
,
坂本 琢
1
,
斎藤 豊
1
,
松田 尚久
1,2
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
2国立がん研究センター中央病院検診センター
キーワード:
大腸癌スクリーニング
,
バイオマーカー
,
マルチターゲット便DNA
,
腸内細菌叢
,
血中腫瘍DNA(ctDNA)
,
マイクロRNA(miRNA)
Keyword:
大腸癌スクリーニング
,
バイオマーカー
,
マルチターゲット便DNA
,
腸内細菌叢
,
血中腫瘍DNA(ctDNA)
,
マイクロRNA(miRNA)
pp.70-78
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000552
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分子生物学の進歩と共に,癌領域においても新規バイオマーカーへの期待が高まっている.大腸癌においてFITは死亡リスクを減少させる有効性のエビデンスがあり,かつ安価で非侵襲的であるため,どのような位置づけで新規バイオマーカーを臨床応用すべきかは重要である.現時点では,マルチターゲット便DNA検査(MT-sDNA)は米国食品医薬品局(Food and Drug Administration;FDA)により承認されている.血液ベースのバイオマーカー検査はその性質上,早期発見よりも予後・再発予測における報告が多い.腸内細菌叢,血中腫瘍DNA(ctDNA),マイクロRNA(miRNA)等の応用されることが今後期待されるが,探索の段階でありエビデンスがないのが現状である.どのようなモダリティやプラットフォームを用いてどのような集団を対象にすべきか,新規バイオマーカーのために必要な課題は多く残されている.
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