特集 無痛大腸内視鏡挿入法─ technique & device
序 説
藤井 隆広
1
1藤井隆広クリニック
pp.89-90
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000451
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大腸内視鏡挿入法について,私の知る過去30年を振りかえってみる.1986 年,私が最初に見た大腸内視鏡挿入法は,X 線透視下での二人法である.術者は両手でアングル操作をしながら,スコープを把持している助手にスコープの出し入れのタイミングを指示するという二人法であり,X 線がスコープの位置確認に使用されていた.この頃の前処置法は,PEG(polyethylene glycol)導入前のブラウン変法であり,腸管洗浄効果はきわめて不良であった.それに加え,被検者の苦痛も強かったことや,「臭い」「苦痛」「恥ずかしい」などから,この頃の大腸内視鏡検査では無症状の大腸がん検診など,到底想像できない状況であった.
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