特集 原因不明消化管出血(OGIB)
Ⅵ.小腸出血性病変に対する治療戦略
矢野 智則
1
1自治医科大学内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
小腸出血
,
小腸腫瘍
,
小腸血管性病変
,
メッケル憩室
Keyword:
小腸出血
,
小腸腫瘍
,
小腸血管性病変
,
メッケル憩室
pp.357-360
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000372
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バルーン内視鏡を用いることで,小腸病変の内視鏡診断と治療が可能になった.小腸出血の原因は,血管性病変,潰瘍などの炎症性病変,腫瘍性病変,メッケル憩室などさまざまである.血管性病変の多くは内視鏡治療が可能だが,潰瘍性病変は内科的治療,腫瘍性病変とメッケル憩室は外科的治療が選択されることが多い.持続出血例に対する内視鏡的止血術では,鉗子口の大きな治療用スコープと円筒型フードが有用である.経口挿入し,血性腸液が認められたらクリップでマーキングしておき,その近くにあるはずの出血源を探す.血性腸液の貯留により出血点を視認できない場合には,gel immersion endoscopy による視野確保が有用である.
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