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はじめに
小腸に対する画像検査手技は最近著しく進歩し,実証的研究成果の積み上げにより特に小腸出血性疾患の診断手順は確立されつつある.特筆すべきは小腸内視鏡の進歩である.カプセル内視鏡(video capsule endoscopy ; VCE)が2000年に登場し,現在は小腸疾患に日常的に広く用いられる.また,ダブルバルーン内視鏡(double-balloon endoscopy ; DBE)は2001年に臨床応用が始まり1),現在では日常臨床にも欠かせない重要な診療手技となった.日常診療におけるそれらの用い方は多くのエビデンスに基づき最新のガイドライン(「小腸内視鏡診療ガイドライン」は2015年,同一内容の英文は2017年)にまとめられた2)3).その内容の紹介と,最近の海外ガイドライン4)5)との比較や小腸出血性疾患の最近の動向などを紹介して本号の序説としたい.
なお,本誌では過去に多くの小腸疾患が特集されている,その状況を記す.①40巻4号(2005年)「消化管の出血性疾患2005」,②40巻11号(2005年)「小腸内視鏡検査法の進歩」,③41巻12号(2006年)「小腸疾患診療の新たな展開」,④43巻4号(2008年)「小腸疾患2008」,⑤44巻6号(2009年)「小腸疾患─小病変の診断と治療の進歩」,⑥45巻3号(2010年)「出血性小腸疾患─内視鏡診断・治療の最前線」,⑦48巻4号(2013年)「カプセル内視鏡の現状と展望」,⑧49巻9号(2014年)「小腸潰瘍の鑑別診断」,となっている.本誌では2005年以降,小腸疾患ないし小腸出血性疾患に関する特集が8回組まれており,この話題に積極的に取り組んできた経緯がわかる.
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