特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅴ.症例(4)内視鏡的摘除後にリンパ節転移,および遠隔転移をきたした直腸粘膜下層深部浸潤癌の1 例
岩上 裕吉
1
,
竹内 洋司
1
,
松浦 倫子
1
,
七條 智聖
1
,
前川 聡
1
,
金坂 卓
1
,
東野 晃治
1
,
上堂 文也
1
,
石原 立
1
1大阪国際がんセンター消化管内科
キーワード:
直腸T1b 癌
,
内視鏡的摘除
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
転移再発
,
転移リスク因子
Keyword:
直腸T1b 癌
,
内視鏡的摘除
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
,
転移再発
,
転移リスク因子
pp.281-284
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000345
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症例は80 歳台,男性.健診目的の大腸内視鏡検査で直腸RS に60 mm 大,半周性の結節混在型側方発育型腫瘍(LST-G,nodular mixed type)を指摘され,当院でESD により一括切除した.病理組織では腺腫の一部に認められた癌が粘膜下層に浸潤しており,腫瘍表層から最深部まで6 mm であった.脈管侵襲はみられず,budding grade 1 で深部断端は陰性であり,高齢を理由に追加外科手術は希望されなかった.13 カ月後のPET-CT で,傍直腸リンパ節腫大,肝右葉,両側肺に複数の転移巣を指摘された.リンパ節転移リスク因子が浸潤距離のみの場合は追加手術のメリットが低いと報告されているが,転移の可能性が皆無ではないことを十分に説明する必要がある.
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