特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅴ.症例(3)内視鏡的摘除後リスク因子がSM 浸潤度1,000μm のみであった再発症例
高丸 博之
1
,
斎藤 豊
1
,
川島 一公
1
,
水口 康彦
1
,
関口 正宇
1,2
,
山田 真善
1
,
坂本 琢
1
,
松田 尚久
1,2
1国立がん研究センター中央病院内視鏡科
2国立がん研究センター中央病院検診センター
キーワード:
大腸T1 癌
,
LST-NG
,
ESD 後局所再発
,
SM 深達度1,000μm
,
リスク因子
Keyword:
大腸T1 癌
,
LST-NG
,
ESD 後局所再発
,
SM 深達度1,000μm
,
リスク因子
pp.275-280
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000344
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60 歳代,女性,S 状結腸のLST-NG 病変.色素拡大内視鏡観察ではSM 深部浸潤所見を認めずESD を施行した.病理結果ではdesmin 染色の結果,SM浸潤度1,000μm であった.D2-40 およびEVG 染色にて検討し,明らかな脈管浸潤を認めなかった.水平・垂直切除断端は陰性であった.大腸外科にもコンサルトしつつ治療方針を相談したが,患者本人は追加外科切除を拒否したため経過観察となった.1 年に1 回の下部消化管内視鏡検査,CT 検査,腫瘍マーカーにて慎重に経過観察を行っていたところ,術後5 年目に腫瘍マーカーの上昇,CT 上S 状結腸付近の腫瘤像,下部消化管内視鏡検査でのESD 瘢痕付近の隆起を認め,局所再発と診断し追加外科切除を行った.追加外科切除では粘膜・粘膜下層には腫瘍成分は認めず,漿膜下層を主体とした腫瘍細胞を認めた.
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