特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅱ.早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後の実態(4)局在別の特徴─ Rb T1 癌の悪性度を中心に
新村 健介
1
,
依田 雄介
1
,
池松 弘朗
1
1国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科
キーワード:
大腸pT1 癌
,
直腸pT1 癌
,
直腸Rb
,
長期成績
,
化学放射線療法
Keyword:
大腸pT1 癌
,
直腸pT1 癌
,
直腸Rb
,
長期成績
,
化学放射線療法
pp.227-232
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000336
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「大腸癌治療ガイドライン」に沿って治療すると大腸pT1 癌の長期予後は良好であることは知られている.局所切除された大腸pT1 癌において経過観察可能な因子としては,① 乳頭腺癌・管状腺癌,② 浸潤距離<1,000μm,③ 脈管侵襲陰性,④ 浸潤先進部の簇出BD1 のすべてを満たすことであるが,それ以外の条件ではリンパ節転移高リスクとなる.高リスク大腸pT1b 癌では,直腸T1b 癌を局所切除のみで経過観察すると,結腸pT1b 癌と比較し局所再発を多く認めた.つまり,局所切除された高リスク直腸pT1b 癌においては追加外科的切除が標準治療と考える.しかし,手術により肛門機能を損なう可能性のある下部直腸pT1 癌に対して,肛門機能温存可能な新たな追加治療を検討する必要がある.
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