特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅱ.早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後の実態(5)追加外科手術の意義と限界
梶原 由規
1
,
神藤 英二
1
,
岡本 耕一
1
,
上野 秀樹
1
1防衛医科大学校外科学講座
キーワード:
T1 大腸癌
,
外科的追加腸切除
,
外科的根治術
,
再発
,
予後
Keyword:
T1 大腸癌
,
外科的追加腸切除
,
外科的根治術
,
再発
,
予後
pp.233-238
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000337
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浸潤癌であるT1 大腸癌の治療の原則はリンパ節郭清を伴う腸切除である.外科的根治術は,局所切除では摘除しえないリンパ節転移や壁外への非連続性癌進展病巣を切除するものであり,これにより再発の防止に大きく寄与する.しかしながら,遠隔臓器にのみ再発する症例の存在に鑑みると,外科的根治術により再発リスクを皆無にすることは不可能である.また,その適応決定には排便機能障害などの術後後遺症はもとより,耐術能の低い症例では手術関連死亡にも考慮する必要がある.局所切除したT1 大腸癌については,リンパ節転移リスク因子の正確な評価に加え,個々の症例における身体的・社会的背景を十分に考慮したうえで,患者個人の希望も含めて治療方針を決定することが重要である.
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