特集 大腸腫瘍の内視鏡治療戦略-攻めるか、引くか?
[総論] LSTの深達度診断
山田 真善
1
,
高丸 博之
,
坂本 琢
,
松田 尚久
,
斎藤 豊
1国立がん研究センター中央病院 内視鏡科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
腫瘍侵入性
,
腺癌
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
狭帯域光観察
,
側方発育腫瘍
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Colonoscopy
,
Adenocarcinoma
,
Neoplasm Invasiveness
,
Narrow Band Imaging
pp.1446-1455
発行日 2019年10月25日
Published Date 2019/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020042402
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大腸側方発育型腫瘍(LST)は大腸の側方に発育・進展する腫瘍群であり、しばしば腫瘍径が20mmを大きく超える。よって、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の最もよい適応となる。ESDの登場により信頼できる治療を患者に届けられるようになったがゆえに、術前内視鏡診断の精度を上げることがESDを行う全国の内視鏡医の課題である。LSTはその肉眼形態から顆粒型(LST-G)と非顆粒型(LST-NG)に大きく亜分類される。さらに、LST-Gはほぼ均一な結節からなる顆粒均一型と、大小不均一な結節からなる結節混在型に、LST-NGは表面平滑で偽足様所見を有する扁平隆起型と、表面に境界不明瞭な陥凹を伴う偽陥凹型に、それぞれ亜分類される。これらの肉眼形態別に組織型や粘膜下層(SM)浸潤率とSM浸潤部位が異なり、粘膜下層の線維化がLST-NGで強いなど両者で生物学的な特徴が異なることから、この発育形態分類は治療方針を考えるうえで有用である。本稿では実際の症例を示しながら大腸LSTの深達度診断について解説する。
Copyright© 2019 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.