特集 早期大腸癌内視鏡治療後の転移再発と予後
Ⅰ.大腸癌治療ガイドラインから見た早期大腸癌の内視鏡治療適応と大腸T1 癌のリンパ節転移リスクの層別化
味岡 洋一
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1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
キーワード:
早期大腸癌
,
大腸癌治療ガイドライン
,
内視鏡的治療
,
根治基準
,
リンパ節転移リスク
Keyword:
早期大腸癌
,
大腸癌治療ガイドライン
,
内視鏡的治療
,
根治基準
,
リンパ節転移リスク
pp.201-206
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000332
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「大腸癌治療ガイドライン」では,予測されるリンパ節転移リスクをもとに,早期大腸癌の初回治療方針および内視鏡的切除後のpT1 癌の治療方針が示されている.リンパ節転移リスクのないTis 癌やリスクがきわめて低いと想定されるT1 軽度浸潤癌で内視鏡的一括切除が可能な病変は,内視鏡的切除の適応となる.内視鏡的切除後のpT1 癌では,垂直断端陰性,乳頭腺癌・管状腺癌・髄様癌,pT1a,脈管侵襲陰性,簇出BD1 が内視鏡的切除による根治基準(経過観察)となっている.T1 癌のリンパ節転移リスクの層別化からは,pT1b 癌で他のリンパ節転移リスク因子のないものでは内視鏡的治療で根治が期待される可能性があり,今後,早期大腸癌に対する内視鏡的治療の適応拡大の可能性も示唆される.
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