特集 腸管感染症
Ⅱ.各論
(4)腸管ノロウイルス,ロタウイルス感染症─小児における診療の注意点
佐々木 美香
1
,
佐々木 朋子
1
,
米沢 俊一
1
1もりおかこども病院
キーワード:
ノロウイルス
,
ロタウイルス
,
ウイルス性胃腸炎
,
ロタワクチン
,
経口補水療法
Keyword:
ノロウイルス
,
ロタウイルス
,
ウイルス性胃腸炎
,
ロタワクチン
,
経口補水療法
pp.161-166
発行日 2019年3月20日
Published Date 2019/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000320
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腸管ノロウイルス,ロタウイルス感染症はわが国の小児のウイルス性胃腸炎の約7 割を占める.環境に安定して存在し少量のウイルス粒子で感染が成立,アルコール消毒が効きにくいという特徴から,毎年秋から春にかけて流行がみられる.最近では便中抗原迅速検査が保険適応になり,容易に診断がつきやすくなった.ロタウイルス胃腸炎は乳幼児に多く,ほとんどが5 歳までに感染し重症化しやすい.ノロウイルス胃腸炎はロタウイルスより軽症であるが,ウイルスが変異しやすく毎年全年齢層での流行がある.乳児の胃腸炎では母乳は制限せず,早期から経口補水療法を開始し,嘔吐が治まったら早めに人工乳や通常の食事を開始する.2011 年,ロタワクチンが承認され,96%に接種した地域では入院が84%減少し,50%の接種率でも外来数が半減している.
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